フェルデンクライス・メソッドと、 からだの不思議あれこれ

2016年9月より東京・西荻窪を中心にフェルデンクライス・メソッドのレッスンを行っているうごき探検隊です。より心地よい動き・からだ・くらしを目指して活動しています。

「種を蒔く」ってこんな感じ

フェルデンクライス・メソッドは、

「心地よい動き」を通して神経系に働きかけることで

脳と身体のコミュニケーションをよりよくしていく手法ですが、

普段レッスンを受けていくことは、「種を蒔く」ことに似ていると感じます。

 

フェルデンクライス・メソッドのレッスンを受けていて、

ある日突然、「より楽な動き」や「より質の高い動き」ができるようになった、

という経験をされる方、結構いらっしゃいます。

 

レッスンを通じて自分の身体の中に蒔いてきた種が

芽を出した🌱、花開いた🌸瞬間、とでもいうのでしょうか。

 

ラクティショナー(講師)が「理想の形」を教えることは一切なく、

その人自身の「学び」の成果が、ただ自然に、しかも突如として現れるのが

このメソッドの面白いところです。

 

   ○    ○    ○  

 

ささやかな一例ですが、トレーニング生時代の私にも訪れた

「その瞬間」をご紹介してみます。

 

ある日、寝転がって本を読んでいたときのこと。

「お茶を飲もう♪」とキッチンに行こうとして、

「何だ、今の!?」と自分の動きに驚いたことがありました。

 

いつもの私なら、

 (我が家の施術モデル、リリーちゃんです)

ここ↑ から、

こんな風に↑ お尻をかかとのほうに動かして、ゆっくり起き上がっていました。

「ふぅ~」とひと仕事です。

 

が、その日の私は、

左脚を床から上げ、その足裏を右脚の向こう側に着くようにしながら

クルっと身体を反転させ、気が付けばキッチンのほうに向かって座っていました。

「お茶飲もう」と思い立ってからここまで、1秒もあったかどうか。

 

あまりにも自然で楽な動きに、文字通り「驚愕」して、

何が起こったのか理解するために、

もう一度ゆっくり動きを振り返りながら、床に戻ったくらいです(笑)。

 

楽に起き上がろうとか、効率よく起き上がろうとか、

これっぽっちも考えませんでした。

ただただ、お茶を飲みたかった(^^)

 

   ○    ○    ○  

 

レッスンでは、なじみのある自分の身体を使って、

なじみのある動きから、そうでない動きまで(笑)、

様々な動きを、小さく、楽な範囲で試していきます。

 

この、いわば「カラダ遊び」で学んだ、

脳と身体のコミュニケーションの多様なパターンが蓄積され、

たくさんの引き出しができたところで、

身体が「最適解」を見せてくれる、

上記はそのひとつの例なのかなと思います。

 

なんとも不思議な、面白いメソッドです。

 

(こばやし・記)