フェルデンクライス・メソッドと、 からだの不思議あれこれ

2016年9月より東京・西荻窪を中心にフェルデンクライス・メソッドのレッスンを行っているうごき探検隊です。より心地よい動き・からだ・くらしを目指して活動しています。

「いま・ここからどこへでも行ける」カラダ

ボディーワークをしていると、「いい姿勢」についてよく聞かれます。

もちろん、解剖学的に“理想的な形”というのはありますが、

フェルデンクライス・メソッドでは、

「いい姿勢」という言葉はほとんど使いません。

そこを基準にしたり、ゴールに定めたりもしません。

 

それぞれの人の身体には歴史があり、使いかたの癖もあり、

それらを無視して「理想の形」を作っても、そこは安住の地ではないからです。

 

フェルデンクライス・メソッドにおいて

身体を観察する際に重視するのは、

「いま・ここからどこへでも行ける」かどうかです。

 

レッスンでは、「ニュートラルに戻ってください」と言われたり、

「そこはニュートラルですか?」といった問いかけをされたりすることがあります。

 

いま取っている姿勢から、右へ行くのは楽だけど、

左へ行くには「よっこらしょ!」と労力が発生するのであれば、

そこは「ニュートラル」ではありません。

 

フェルデンクライス・メソッドでいう「ニュートラル」は、

その場から、どの方向にも等しく楽に向かうことができる、

そんな中間地点のことなのです。

その「ニュートラル」は、不要な力みが抜けて、

楽に居られる場所でもあります。

 

自分にとっての「ニュートラル」がどんどん更新され、

身体が整っていくことで、結果として、

「いわゆるいい姿勢」に近づいていくものなのかも……。

 

仲間の姿を見ながらそんなことを思う、

フェルデンクライス・メソッド11年目の夏です(^^)

 

(こばやし・記)